ガス釜今から25年程前の私がまだかけだしの現場代理人だった頃の話です。
その頃、私の住む街は下水道工事が盛んな頃で、毎年のように私は市内のあちらこちらを掘っては下水管を埋設していました。
汲み取り便所から水洗トイレに変わると言う事で、地元住民の人達にも感謝や喜ばれ、大変仕事のやりがいもありました。

街の中では地中に水道やガス管が埋設されているのですが、工事に先立ち、そういった地下埋設物をあらかじめ掘削して、埋設位置を調べ目印を付けます。
そういう作業を試験掘りと言って、重機で管に損傷を与えないようにするためにも行います。

ある日の事。試掘して目印をした上を重機が通過したら、水道管が破裂したのです。
「なぜ?」と思って調べてみると、普通は目印にした木の棒を水道管から少しずらして立てるのですが、その時の作業員が、どういう訳か水道管の真上に立てて埋めてしまったのです。
まあ事故の原因なんて言うのは、ほとんどがそんな凡ミスですね。

とりあえず、影響するお宅へ謝りに行ったのですが、出てきた奥様に言われた言葉は「それはしょうがないけれど、うちはお寿司屋を三楽街でやっているので、たまにはお寿司を食べに来て!」と言われたのです。(笑)
タイトルの幕下というお寿司屋さんとの付き合いはそれが始まりです。

マスターは、市内の東龍という老舗のお寿司屋さん出身。創業者である先代のマスターと二人で最初に始めた人。
その後、いち早く独立して今の店を始めて現在に至るのですが、その寿司屋での後輩達もその後独立して市内で店をやっていたのですが、今はもうどの店も諸事情でなくなりました。

最近私はあまりこの店に顔を出すことはなくなってしまいましたが、昔はよく行きました。
この店で、同僚や友人達との楽しい思い出も沢山あります。
そんなお店も今日で暖簾の幕が下がります。
また市内から老舗のお店の灯が一つ消えてしまうのは寂しいものです。

先週、22回目の結婚記念日にお店に行き、4時間位マスターやママと食べ飲みしながら昔話やこれからの事をお話してきました。

写真は、マスターが開店当時から使用しているガス釜。
何回も何回も修理しながら35年間使用したそうです。マスターの人生そのもの。

トリトンやなごやか亭等、今は回転すしでも美味しい店は沢山ありますが、シャリの味だけは絶対お寿司さんにはかなわないと私は思います。